実績
経常収支比率の好転

経常収支比率の推移
※経常収支比率:市の財政構造の弾力性を示す指標で、この比率が低いほど財政運営に余裕がある
「市民サービスの低下」を招くことなく、限られた財源の範囲内で事業実施に取り組むことを徹底し、職員の意識改革につなげました。
結果として、経常収支比率は、令和5年度決算では90.0%となりました。
ー具体的な取組ー
- 公債費(市が過去に発行した地方債の返済に充てる費用)縮減のための繰上償還の実施
- 「定員適正化計画」による職員採用及び適正配置
- 業務効率等による時間外勤務の縮減
- 歳入確保のための「ふるさと納税」の促進・拡充と「市税」収納率の向上対策 等
ふるさと納税額の拡大

ふるさと納税額の推移
ふるさと納税は、地域の魅力を発信し、財源確保の重要な手段として位置づけており、返礼品の充実や積極的なプロモーション活動により、寄附額の増加をめざした取組を行いました。
結果として、ふるさと納税寄附額は、令和5年度決算では9億2,493万円となりました。
ー具体的な取組ー
- 寄附者ニーズに対応したプロモーション強化、広告サイトの充実
- 事業者の生産性向上や新商品開発への支援
- 地域の特産品を積極的に活用した地場産業の振興
- 県外関係団体へのトップセールス 等
税収増の取組

市税収入額の推移

市税徴収率の推移
安心・安全な生活を支える貴重な財源である市税収入を確保するため、納付機会の拡充や実態調査の強化を図り、納税意識の高揚と徴収率の向上をめざした取組を行いました。
結果として、徴収率は、令和5年度では98.3%となりました。(6年度は98.9%で県内自治体3位)
ー具体的な取組ー
- 職員の人材育成(スキルアップ)と大分県や他自治体との情報連携
- 窓口等による相談対策の強化
- 事業所などへの特別徴収移行への協力
- 実態調査(財産調査)による積極的な徴収強化 等
杵築市立山香病院の診療体制の充実と経営改善

山香病院損益の推移
山香病院は、へき地の拠点病院として、将来にわたって安全安心な医療を提供し続けるために、安定した病院経営を維持するための取組を行いました。
結果として、令和5年度決算では1億8,288万円の黒字となりました。
ー具体的な取組ー
- 医師、医療従事者の確保・養成
- 通院支援としての外来送迎サービスの充実
- デジタル化による患者サービスの向上と現場の業務効率化
- デジタル診療の最先端として「医療MaaS」の導入 等
成長している事業
こども・子育て施策

杵築市は、子育て世代に寄り添い、「こどもを産み、育てたい」と心から思えるまちの実現を目指します。経済的な負担軽減と、安心して相談できる環境づくりの両面から、切れ目のない支援を届けています。
経済支援の大きな柱は、「保育料・給食費・高校生までの医療費」のトリプル無償化です。さらに、妊娠・出産時や小中学校入学時にはそれぞれ5万円分の商品券を配布し、子育て世帯の家計を直接サポートします。
また、経済的な支援だけでなく、子育てのあらゆる悩みにワンストップで対応する全世代支援センター「まるっと」 や、子どもたちが放課後も安全に過ごせる「放課後児童クラブ」や「子ども第三の居場所」の運営など、多様なサポート体制も整えています。
大分県初の「ベビーファースト宣言」都市として、今後も支援を拡充し、すべての子どもたちが笑顔で成長できる社会を目指します。
創業支援と空き家・空き店舗対策

「挑戦したい」その思いを、未来への可能性に。杵築市は、地域の課題である空き家・空き店舗の活用をはじめ、挑戦する人を全力で応援します。
国の「歴史的風致維持向上計画」の認定を受けた城下町では、起業したい人と空き店舗をマッチング。単なる場所の紹介だけでなく、事業計画の策定、専門家による相談、さらには資金的な支援まで、あなたの「やってみたい」に丁寧に寄り添う伴走型支援を推進してきました。
また、市内の産品を「杵築ブランド」として確立するため、県内初となる地域商社「きっとすき」を設立。挑戦をビジネスとして成功させるための土壌も育んでいます。歴史ある街並みに新しい風を吹き込む未来の創業者を、いつでも歓迎します。
市立山香病院医療MaaS(Mobility as a Service)

少子高齢化や過疎化に伴い、通院に困っている高齢者等が増加しています。市立山香病院では、これまで、自宅と病院間を結ぶ送迎サービスを行ってきましたが、さらに、市民に寄り添う形で、衛星通信サービスを利用した診療車両を導入しました。
病院にいる医師と車両を衛星通信でつなぎ、自宅周辺で高画質の映像で診療や健康相談ができる体制が整いました。骨密度測定や、頸動脈エコー、聴力検査なども実施できるため、皆さんの疾病予防や健康チェックに活用できます。今後も健康意識の向上と病気の早期発見を目指して積極的に活用していきます。
ハモ加工処理施設整備・守江湾アサリ資源の回復

杵築市ではハモをブランド化し、地元漁業の賑わいを創出するため、荷さばき・ハモ加工処理施設を整備しました。細かい骨切り、真空パックでの急速冷凍が可能となったことから、さらなる販売量の増大と漁業者所得の向上を図っていきます。
また、守江湾の干潟はかつて、アサリが豊富に生息しており、潮干狩りも家族連れなどで賑わっていました。しかし、近年の豪雨や環境変化、魚類の食害によりアサリ資源が大幅に減少しました。この資源を回復するため、生息域に被覆網を設置し、母貝の保護と稚貝の育成に取り組んできました。この取組により、7年前は2トンに満たなかったアサリ資源が、現在では14トン程度まで回復してきていますが、まだまだ十分ではありません。
漁業関係者とともに、さらに母貝を保護する母貝団地を造成し、アサリの養殖技術を確立することで、持続可能なアサリ漁業を目指していきます。
この取組は、地域の皆さんにとって、アサリの復活に留まらず干潟の保全や環境保護の活動にもなります。失われた資源を取り戻すだけでなく、さらに新たな雇用創出や地域経済の活性化にもつながるものと思います。
一次産業の振興

杵築市では、地域農業の担い手を確保するため、現役の農家の方にコーチになってもらい、技術や経営を習得するファーマーズスクールを開設しています。
現在はハウスミカンやイチゴ、ホオズキやヤマジノギクなど園芸品目を中心として、就農コーチの農園で実際に働きながら、実習・座学の研修を行います。市、JA、コーチや生産部会が一体となり、新規就農への準備も併せて行い、心配事の相談も受けます。2年間の研修で知識と技術を身につけ、即戦力として地域農業を支えていきます。また、今後はデジタル技術の導入・活用を進め、スマート農業を展開していきます。
全世代支援センター「まるっと」

皆さんの抱える介護や子育て、障がいや生活の困窮などの悩みを一括して対応できるよう、社会福祉協議会内に支援センターを開設しています。
世帯が抱える複数の困りごとを、一括してまるっと(まるごと)受け止め、より早く、より効果的な支援につなげられるように専門職員が対応し、相談者に寄り添いながら、生活の安定に向けたその解消や解決につなげられるお手伝いをしていきます。
ひとりで、家族で抱え込まずに、まずは相談をお願いします。
そして、地域・社会の皆さんとともに寄り添い、支える社会を作っていきます。
防災・減災

近年、台風や豪雨による水害、大規模地震などの災害が頻発化・激甚化しており、南海トラフ巨大地震のような将来予測される災害への備えが重要です。また、自然災害は人々の生命・財産だけでなく、地域の経済社会基盤にも壊滅的な被害を与える可能性があります。
そのため、これまでも、防災情報の発信強化、避難所環境の整備、災害備蓄物資の計画的な更新、河川やため池等の整備による水害対策、砂防施設・治山施設の整備等による土砂災害対策を実施してきました。
また、ソフト面では、自助・共助を基本とした地域防災力の向上や、地域や学校への防災教育の推進、自治協や自主防災組織への支援、市民・警察等との連携強化、そして防災士の育成などを行ってきました。
今後は、ケーブルの断線に影響されない防災ラジオのFM化、被災者台帳システムの活用、災害時もドローンによる被害状況確認、地区レベルの防災計画策定、防災教育の充実など、市民の安心・安全を最優先に、継続的に防災・減災対策に取り組みます。